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基礎編

相続人が海外にいる時の相続手続き(1)

一昔前までは、身内に海外在住の方がいるというケースは非常にレアなケースでした。

しかし、グローバル化が進むにつれて、海外旅行のみならず海外留学や海外への転勤等のケースは年々増加しています。

また、海外での単身赴任や居住地を海外に移転するといった人も増加傾向に有り、今後もその様なケースは増えていくことでしょう。

ここで1つ気になるのは、海外に身内がいる状態で相続が発生した場合、一体どの様な手続きが必要になるのでしょうか?

今回は相続人が海外にいる状態で相続が発生した場合に、どの様な手続きや書類が必要になるのかを見ていきましょう。

 

遺産分割協議の可否

そもそも海外に相続人がいる状態で相続が発生した場合、遺産分割協議は可能なのでしょうか?

答えは「Yes」です。

日本国籍を持つ海外居住者との遺産分割協議は可能であり、数はそれほど多くありませんが、実務において当該事例発生件数は年々増加しています。

相続人が海外にいると聞くと手続きが難しそうと想像してしまいますが、遺産分割協議の手続き自体は、通常の相続の場合とほぼ同じ流れに沿って進められますので心配ご不要です。ただし、海外居住者にのみ必要な手続き等がありますので、その点に注意する様に気を付けましょう。

 

遺産分割協議の注意点

海外在住の方と合わせて、国内在住の相続人にも注意しておかなければならない事項があります。それは、手続きを進める上で細心の注意を払うということです。

遺産分割協議を行う際、海外在住の方とのやり取りは、直接会う以外の方法として、電話かメール、手紙での方法となります。その中でも電話かメールが比較的便利な方法と言えますが、直接会って話せない以上、伝え漏れのリスクが付きまとってしまうのです。

現在では、相手の顔を見ながら話せるテレビ電話の普及に伴って、従来に比べると話し合いは幾分スムーズに行える様になってきてはいますが、依然として伝え漏れや受け取り方の違いといった問題が多発しています。

遠く離れた人だからこそ、伝えるべきことは確実に伝え、後の争いにならないために入念な確認作業を徹底する様に心掛けましょう。

また、書類の受け渡しにも注意を払う必要があります。

海外との郵送のやり取りは、国内でのやり取りに比べると時間とともに費用もかかってしまうことが多いでしょう。書類に不備があったり渡し忘れがあったりすると、それだけで時間と費用がかさんでいってしまいます。書類のチェックは、普段よりもさらに意識して万全の状態で行う様にしておくと良いでしょう。

そして、郵送する書類は必ずコピーをしておく、若しくは、文言がはっきりとわかる様に画像として保存しておくとなお良いといえます。書類の郵送に関してちょっとしたひと手間をかけておくことで、協議の際にお互いが同じ書類で確認を取れるだけでなく、書類を失くした・貰っていないといった問題を予め回避することができます。

相続人が海外にいる時の相続手続き(2)

相続人が海外にいる場合は、以下で説明する「在留証明書」と「サイン証明書/署名証明書」が必要になります。

今回の記事ではこれらの書類の手配の方法や注意点について説明します。

ここからは海外在住の方が準備すべき書類について見ていきます。ちなみに、国内在住の方が相続手続きの際に必要な物の主な物として、①住民票、②印鑑証明書、③実印の押印があります。この①~③を海外在住の方が用意する場合には、(1)在留証明書、(2)サイン証明書/署名証明書、(3)実印の押印となります。この中で、(3)の実印押印は海外在住の方に遺産分割協議書を送付して押印してもらうことで対応することが一般的です。

 

(1)在留証明書

遺産分割協議書の添付書類として、相続人は住民票を準備しなければいけません。しかしながら、海外に居住している方は日本国内に住民票がない状態です。そこで必要になるのが在留証明書となります。

在留証明書は日本国内で入手することができませんので、現地の日本領事館に赴いて発行してもらう必要があります。ただし、当該証明書を発行してもらうためには以下の条件が必要です。

1.日本国籍があること

2.現地に既に3ヶ月以上滞在し、現在居住していること

上記を満たした上で、本人確認書類、現居住地の住所及び滞在開始時期の確認ができる書類を持参しましょう。

 

(2)サイン証明書/署名証明書

遺産分割協議書の添付書類として、相続人は印鑑証明書を準備しなければいけません。しかしながら、海外に居住している方は日本国内に住民票がない状態なので、印鑑証明書を用意することができません。そこで必要になるのがサイン証明書/署名証明書となります。

日本国内では、重要な書類を作成する上で印鑑の押印とそれに伴う印鑑証明書の準備が当たり前の習慣となっていますが、海外にはその様な慣習がありません。そこで印鑑証明書の代わりになるものがサイン証明書/署名証明書になります。

サイン証明書/署名証明書は、現地の日本領事館に赴いて発行してもらうことになるため、在留証明書と同時に取得すると良いでしょう。その際には、遺産分割協議書を持参する必要があるため、予め郵送等により遺産分割協議書を入手しておく必要があります。

ただし、海外在住の相続人が一時帰国する予定があるならば、日本の公証役場で認証を受けることも可能です。その際でも、在留証明書だけは現地にて発行してもらう必要があります。

相続人がいない時、相続財産はどうなる?

相続とは、現在の財産所有者が有する財産を、次世代に引き継ぐ手続きのことです。親から子へ、財産を移すのはとても大切なことですが、相続によっては相続する人が誰もいない、というケースがあります。これを、相続人不存在(そうぞくにんふそんざい)といいます。

相続人不存在とは、財産を承継する相続人が誰もいないことを指します。この相続人不存在には、2つのケースがあります。

 

(1) 戸籍上、相続人が見当たらない

相続は通常、法律によって相続する人と配分が決められています。

これを「法定相続人」、「法定相続分」といいます。

「法定相続人」とは、財産を所有していた方が亡くなった際の財産を、「引き継ぐ権利のある方」です。死亡者の奥様、お子様、兄弟姉妹が該当します。

この相続税には、法定相続人1人あたりにつき、「600万円×法定相続人の数」を非課税枠として活用することができます。

たとえば奥様とお子様1人の場合、600万円×2の1,200万円が非課税枠です。この非課税枠を活用して、さまざまな相続対策が行われています。

相続人の子どもがいない場合、その子ども(被相続人から見て孫)が相続する権利を引き継ぐ(代襲相続といいます)などの対応策があります。たとえば戸籍上、相続人が見当たらないなどの場合です。

 

(2) 相続人全員が相続放棄をしている

相続人全員が相続放棄をしている場合も、この相続人不存在に該当します。

そのほかに相続欠格や推定相続人の廃除によって相続財産を失っていて、相続資格のあるものが誰もいなかった場合も、相続人不存在に該当します。

なお、相続人が行方不明や生死不明の場合は、即座に相続人不存在には該当しません。行方不明が7年以上に達すると、家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをして、失踪宣告の審判をすることができます。

また、2011年の東日本大震災など未曽有の大災害の場合は、特別に死亡判定が行われ、相続が円滑になるよう対策がされました。

 

特別縁故者と国への寄贈

相続人の存否が確認できない場合、家庭裁判所により選任された相続財産管理人が被相続人の債務を支払うなどして精算を行ったあと、被相続人と特別の縁故のあった人間からの申し立てによって、その人に相続財産の全部または一部を与えることができます。

それでも残った財産がある場合、財産は国(国庫)に帰属することになります。ただし、その財産が他の者との共有財産の持分である場合は、その持分は他の共有者に帰属します。

もちろん、特別縁故者や国への帰属の手続きが開始したあと、相続人に該当する人が現れた場合、これらの手続きはただちに中断されます。その場合、相続財産管理人がそれまでになした精算行為の効果はない、ということが確認されています。

このように、優先順位の定まった相続人不存在のときの対応。しっかりと理解して相続を進めていきましょう。

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